海外に住んでいる日本人が「日本と日本人の良さが分からない。」と言って、同じ日本人にSNSを使って聞いて回っていた。その日本人はどうもマスクを忌避している様子で、コロナ禍の日本と日本人の行動を見て絶望したのだろう。


 私はこの3年の間日本の現状を見て来て、日本が退化している末期の状態だと思い知った。コロナ以前から日本が危ない状態にある事は、個人的にインターネットや本で情報を収集していた私はある程度分かっていた。しかし、コロナ禍の日本を経験して日本人がここまでバカで無能な国民だったとは知らず絶望した。多分、海外生活をしている日本人なら外から見た日本を知っているので、日本国内しか知らない人より日本の置かれた立場を理解しているだろう。


 「海外にいる日本人」と「TV・新聞だけに頼らずに日本の正しい歴史と国際情勢を理解している国内の日本人」との違いは何か?


 今の海外に暮らす日本人は戦後教育を受けてマスコミの流す情報の影響下で育った。その価値観が根っこにあり、成人して物事を考える。そして、海外に出れば日本が情報統制されている事にも簡単に気付く。しかし、自分自身がどういった価値観で物事を考え、そしてその判断基準はどの様にして育まれたモノなのか、そこまで考えた事は無いだろう。今の日本人の多くは個人主義だ。同じ日本人としての連帯感も薄い。権利を主張し、義務を他人に課すそんなギスギスした世の中だ。


 何故こんな日本に世の中になったのかを考えるより先に何故こんな自分になったのか、何故自分は日本に日本人に価値を見出せないのかを考えるべきだ。他人に日本と日本人の良さを聞いても答えは出ない。色んな知識と経験のある方が教えてくれても心底納得できる"答え"は得られないだろう。何故なら本人は既にその答えを持っているからだ。他人に態々聞いて回るのは、自分の考えに同意してほしいだけだろう。「本当に自分には分からないから、どうか誰か教えてほしい。」との書き込みだったが、その発言に至るまでの自分を冷静に見れていない。そこには自分の中で確信している答えが、必ずある。それに気付き、それと向き合い、それに自分自身でメスを入れるのだ。


 哲学的にモノを考える事に思えた人もあるかもしれんが、単純に自分に聞いてみれば良い。勿論、答えはすぐには出て来ない。どうしても分からなくて他人に聞きたい気持ちは当然出て来る。しかし、この類いの問いは自分で答えを導き出す以外に方法は無いのだ。経験者の私に言わせればね。自分は何故生まれたか、どの様に育って来たか、その間にどんな人たちと関わって来たかで人は決まる。そして、社会を覆う常識と言われるモノやマスコミの流す情報も個人の考えに大きな影響を与える。しかし、最終的に判断を下すのは自分自身である。何を基準にしてその判断を下しているのか、そこにフォーカスすべきだろう。


 「自分を調べる」という作業だ。


 コレが出来て初めて本当の答えがわかる。スッキリするだろう。世の中の間違いは何故起こるのかが分かり、グローバリストと呼ばれる方々が小さく見える筈である。そして、その人たちが今強大な権力を持っていられる本当の理由も。ただ、海外に出て客観的に日本を見れるだけじゃダメ。TV・新聞以外で情報を集め、本当の日本の歴史や日本人のルーツを知れば日本と日本人の良さが分かるかも知れない。しかし、自分を調べるとそこには過去からの日本と日本人の歴史と真価が封じ込めてある事に気付く。


 疑問に思う事は、他人に聞くより先に自分に聞け。


 他人に聞いた方が早い事もある。それは問い、問題の種類でそうなる。日本と日本人の良さ・価値というモノは、勉強して知識も必要だが、自分と向き合う事も必須条件だ。