金銭問題と人間関係って、やっぱり関係があって。
人となじみやすいタイプの人でも、金銭関係がだらしない人だと、人は離れていって友人関係は崩れてしまうものらしい。
それから、昔の家って、その家の中で一番偉いのは、一番の年長者であるおじいさんっていう雰囲気があった。
大正生まれの人が主人公の実話系のドラマ見ると、その時代の雰囲気が出て、わかるなあって思う。『カーネーション』の糸子みたいに反発して、自分の城、自分の店(自分の家庭)を持ちたいっていう気持ちもわかるし、『ゲゲゲの女房』みたいにその家の主である父親や夫に従って、決して上には出ずに、お役に立ちたい、それでみんなが満足して穏やかな生活を過ごせるのならそれでいいっていう気持ちもわかる。
実際、家と土地の所有権を持っているのもおじいさんだったし。
力関係って、金銭の大小と金銭の流れる方向のことなんだなあとか思うきょうこのごろ。
お金を払う方がもらう方より強いの。
昔は、子供が10人ぐらいいた時代は、次の主人になる子全ての財産の相続権のある子=長男だったから、長男を別格でかわいがったんだろうな。
私は小さいころ、その辺がわからなかったから、弟が優遇されるとキレていたことも多かったけど。
弟が性格が穏やかなのは、周りからひいきされてかわいがられていたからなのかもしれない。
でも、今の時代は妻にも子供全員にも等分に相続権はあるわけで……。
だから、今時の核家族の、子供2人ぐらいの家庭って、子供が親に対して大きく出るみたいなこともあるのかな。友達親子みたいな。対等以上みたいな。場合によってはどっちの方が偉いのみたいな。
祖母がここは私の家だとか言っていばっているのを聞くと、主張する人はなんでも自分の権利を主張するんだな、と。子供のころは違っても。
権利を与えられるとその権力が当たり前になってしまうという。
多分なんでもそうなんだろうな。最初はそういうタイプの人達からで、だんだん全体に広まっていくという。
図々しい人と控え目な人がどこの集団でも同じぐらいいたらバランスがとれるんだけどね。
母が強く出られたのは、稼げる人だったからなんだろうな。夫に金銭的に頼らなくても生きていけるような。
父は実家の両親と妻との仲立ちの人で、ほんとは一番うまくやらなきゃいけない立場だったのに。
お金を使い込んじゃっていたのね。妻と親と両方からお金請求して。
妻も親も自分がお金出しているって思って、だからよけい関係が悪くなるっていうこともあったし。
でも父だって、もしも家の当主だったら、家のことを自分の責任で全部できたら、そういう影でお金使って発散するタイプじゃなかった気もするし。
父は夫や父親っていうよりも、ずーっと息子でお兄ちゃんだったんだよね。
実家で両親と同居で妹達が結婚してからも毎日家に来る環境だと。
祖父は親が早くに亡くなったから、きちんとしていたのかな。
5人兄弟だったら外仕事も5人で分散できるけど、男の子1人だと1人に仕事が集中しちゃうっていうこともあるし。
だから人が見ている時だけ一生懸命仕事するタイプなのかもしれない。
専業主婦の祖母がそれで満足するっていうこともあるし。
比較対象ができないような、交遊関係が、世界が狭くて、自分ルールになっていて、時間がたっぷりある主婦の場合、成果よりも、自分の気分しだいとか、自分が権力を保てるかの方が重要なことも多いみたいだし。
私は実家から離れた時期は、それでも平和にものごとがまわっていくのならいいかなって思ったこともあったけど、家族と接しているとやっぱりだめだわ。その時々の都合や、自分の損得や気分によって言っていることややっていることが変わることが嫌。原理主義的になってくる。
祖父がつくる野菜や果物はおいしかった。大都市の大きなデパートの果物売り場で売られていても、舌の肥えた人達が集まる高級料亭で出されても好評だろうなっていうことも時々あった。
父がつくる野菜や果物はおいしくない……。無料か激安なら売れるかもレベル。
畑も木も同じなのにね。
(でも、みんなまずいって言わないけど。)
きちんとした人が1人いたらいい物はつくれる。
逆に補佐的な方がいいのかもしれない。実はそんなにこだわりはなくて。場の雰囲気とかを重視して。言われたら言われたことはきちんとやって。中心的なことは、決定権はぜんぶ中心人物がやって。
ただし、その人がいなくなったらガタガタになるけど。
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私が姉に対してひっかかる気持ちがあるのは、子供のころの金銭問題もあったし。
姉にとっての私は、人間関係のお椀の中には入っていない人間で。姉は学校での交遊関係と、家で母と話せたらよかったんだろう。そのくせ、足りない時だけ利用されるという。物質的にも、時間的にも。
母は母で1人だけ気の合う話し相手がいたらいいタイプの人だから。
祖父と祖母と父とおばさん達のコミュニティも家の中にあったし。
うちってバラバラだったな。家が広いのも原因の一つかもしれないけど。
子供が友達付き合いできるだけのお小遣いや物が無かったから。姉が私に対してああだったんだろう。姉は大人になって自分で稼げるようになってからは私に対して不用品売り付けてきてたかるようなこともなくなったし。子供のころのことをすぐ思い出しちゃうから不信なんだよな。今は余裕あるから。もし立場が逆だったらとか。
姉は自分の子供には小学校に上がったらお小遣いをあげている。
自分が子供のころに困ったことは子供にはさせたくないっていう気持ちもわかるな。
祖父の世代だとわからないんだろう。自分の子供のころは困らなかったから。
こうやって時代って変わっていくんだなあ。
私も、一人暮らししていたころ、気持ちが変わり始めたころに、ひいきして味方してくれた人もいて。
そんな人から頼まれると、断りにくくなる。やっぱり。
そういうふうに、仲良しクラブみたいに、仲間内だけで優位性を持つことは、私は一番嫌いなことだったんだけどね……。みんな公平にやっているのに、とか思ってしまうんだけど。でも、やっぱり断りにくくなる。そういう時に角が立たないように断れればよかったのかな。
それとも、みんな私が知らないだけで、こっそり仲がいい人たちだけの何かがあったのかな……。
ひいきにされたこととか、まったくわからないなら、ずっとわからないままで終われたらよかったのかもしれない。わかった時点での恨みつらみ、不信感っていうこともあるし。そういうのがわかった時点で付き合い方を変える、距離感を持つだろうなとかいうこともあるし。
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とにかく、私は親とか兄弟や親戚が入ってくることが嫌だったんだな。
親戚の人達も、たぶん、一人ひとりは、職場であったり友達関係だったりしたらいい人なのかもしれない。普段働いているから社会性もあるし。親戚の集まりっておじいさん、おばあさんのために開いているようなところもあるし。お年寄りの人柄の問題もあるし……。
親が入ってこないようなところで、自分の家庭を持って、独立して生活したい。
それができないのなら、一生独身でいいやっていう気持ち。
本人がどんなにいい人でも、親と同居だったり、親の干渉が入ってくるような人と結婚するのは嫌だ。別れるっていうような気持ち。
某女性脚本家もテレビで、自分の母親やおばを見ていて、子供に頼って生きるような生き方は嫌だって思って、それで自分はお金で解決していく道を選んだって語っていたけど……。
今の時代はお金で解決できることもたくさんあるんだよね……。