「がん研有明病院」
散々悩んだあげく、妻に提案したのは"セカンドオピニオン"というありがちな内容で、決めた病院も口コミと名前に「がん」という文字が入ってるから頼りになりそうという安易な理由からだった。
今考えると、僕の人生のなかで、これ又2番目に良い選択をしたと我ながら自画自賛するのであった。
しかし、当時の妻の反応はというと…
「紹介状準備してもらったり、取りに行く時間がない!」
と一点張り。
毎回毎回、「セカンドオピニオン行って(僕)!」「時間がない(妻)!」と堂々巡りになり、いつの間にか季節は冬になってしまっていた…
その間、妻の胸の状態は相変わらず"異常な左おっぱい"のままであり、僕の不安は解消されないままであったが、仕事に忙殺されいつの間にか緊急度が下がっていたのも事実であった。
そんな状況が一変したのは、正月を過ぎた頃である。
時間に余裕が出来たので、ふと妻が乳癌だった場合を想定して最悪のシナリオを考えてみたら...
なんと涙がどんどん溢れ出てきて止まらなくなってしまったのだ。
その瞬間、自分の人生において何が一番大切で、今何をしなくてはいけいのかが明確に頭に浮かんだ。
妻の存在は僕の人生の全てで、彼女が生きることが僕の人生で最も価値のあること。
こんな単純なことを改めて気づくまでに約半年もかかってしまったことが、この闘病生活のなかで唯一後悔することだった。
その翌日、セカンドオピニオンのための紹介状をお願いしに行き、後日紹介状を取りに行った。
さすがにここまでやると、妻も行くしかないと分かってくれたみたいで重い腰を上げてくれた。
そして、2017年2月10日にがん研有明病院へ妻と一緒にセカンドオピニオンを受診しに行ったのだ。