「恐らく悪性の腫瘍の可能性が高く、その場合この広がりを見る限り全摘手術になると思います」
セカンドオピニオンで告げられたのは、今までとは全く別の見解で、かなり高い確率で"乳癌"ということだった。
かなり前から心の準備が出来ていた僕は、その見解に全く驚くことは無かった。
それよりも進行状況(ステージ)が気になって仕方なかったが、今日受けた検査結果が約2~3週間後ということで、それまでまた眠れない日が続くと内心覚悟を決めた。
それよりも"全摘"ということがあまりにも衝撃的だったのか、乳癌の疑いよりも胸が無くなるかもしれないことに対して妻は泣き崩れてしまい、先生も言葉を慎重に選んで不安を解消してくれようとしていた。
受診が終わっても妻の動揺は収まらずに、泣いては放心状態になり、そしてまた泣くという繰り返しで、人一倍美意識の高い妻のことを想うと、やり切れない気持ちでいっぱいになった。
ただ、どんな時でも自分のなかで決めていたことが3つだけあった。
・妻の前では決して涙を見せないこと
・子供よりも妻のことを第一に考えること
・意思決定を妻にさせること
特に3番目は妻には酷だと思いながらも、そうしないと彼女自身前向きな治療に取り組めないと考えて、心を鬼にして常に意識することを心がけた。
ただし、妻の不安や気になることを解消できるよう、あらゆるツールやチャネルを活用して情報提供に努め、特に乳癌経験者である叔母からの助言は彼女が判断を下すうえで大変参考になったようで、僕自身も心の支えとなり本当に感謝している。
ただ不思議と、よくある「なんで僕の妻が...」的な悲観的な心情は全くなく(妻はそう思ってたみたいだか...)、むしろ、ここまで妻のことを一生懸命考える機会を与えてくれたことに感謝したくらいだった。
この気持ちは今現在全く変わっていない。