学生時代、付き合っていた彼女が日本女子大学だったので、

それ以来、この大学には好意を持っています(笑)。

 

さて、その日本女子大学「建築学部」が誕生します。

なぜいま、名門女子大が新学部の設立に踏み切ったのか、考えてみました。

 

いま建築の仕事を志す女子が増えてきています。

 

私の元職場の設計事務所でも、10年前なら女子の採用は一握りでした。

いまや、新卒採用の男女比は6:4にまでなっています。

ゼネコンの現場でも、働く女性の姿を多く見かけるようになりました。

急速に「男の職場」というイメージが無くなってきたのです。

 

また、建築系学部(学科)は、理系のなかでは堅いイメージがなく、

デザインセンスを活かすことができ、建築士など「手に職をつけられる」ため、

リケジョの高校生のなかで、高い人気となっています。

いまや学生の女子比率は、大学によっては半数近くになろうとしています。

 

これまで女子大は、建築業界と言ってもハウスメーカーへの就職が多く、

組織設計事務所や大手ゼネコンへの就職は厳しいのが実情でした。

しかし、学生の「出口戦略」を考えた場合、専門知識やデザイン力で、

建築学を専攻する他校に、就活で負けない教育の質が求められるようになりました。

 

さらには、少子化のなかでの「大学の生き残り」という側面もあります。

旧来のカリキュラムでは学生が集まらず、結果として偏差値が下がり、

良い企業に就職できないというマイナススパイラルに陥ると、

「大学倒産」が、どの大学で起きても不思議ではありません。

 

かつての女子大らしい、結婚したら家庭に入ることを前提とした教育から、

「自立して働き、生きていくことを目指す実践教育」に。

時代のニーズに合わせて、変化をしようということなのでしょう。