津市一身田町の寺内町で家を建てるのは煩わしい。
市が「まちなみルール」を設定していて、
そのガイドラインに沿った設計・建築が求められるからだ。
専修寺の前の通りや商店街(と言うほどのものでもない)に、
景観に不似合いな現代建築が建っていたら、それは多少の問題になる。
でも、我が家はその裏の住宅街なのですよ。
そこに足を運ぶ観光客は、道に迷った以外は考えられず、
既存の安っぽい(失礼!)外壁やブロック塀の家が建立ち並んでいる。
逆に「まちなみルール」に沿った家を建てたら「浮く」のだ。
市は無理やり「お上の力」で建物のデザインに縛りをかけておきながら、
施工時に支給される補助金は、雀の涙程度。
なので、毎年補助金を申請する件数は、ひと桁しかない。
しかも地域には「一身田まちなみ見守り隊」とやらがいるようで、
チラシには「お気軽にお声掛けください。」とあるが、
活動内容も連絡先も記載されていない。
つまりは、官製の有名無実な組織、あるいは地域の監視役だ。
「活力があり、住み続けられるまち」にするための議論と実践が進まず、
街並みや建物の体裁だけを取り繕うことだけをやっても意味がない。
と、東京で建築設計事務所に勤務し「都会風を吹かす」私は思う。