リッカルド考 | まぁ状況で◎。富澤祥行 アメブロにて

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玉川学園の秘密兵器と言われて久しい(?)名も無きテノールのその日常。


さていよいよ来週末は蝶々夫人&仮面舞踏会ハイライト。


昨日はAKB総選挙について語ったので、今夜は仮面舞踏会リッカルドについて。

詳しい方はご存知の通り、この物語はスウェーデン王グスタフ三世のお話がベースなのですが、いろいろ訳あってアメリカのボストン総督府のお話になっておりまして、リッカルドのモデルであるグスタフ三世さんは年齢40代、
オペラでは短刀が使われてますが、最後は銃で暗殺されてしまうんですね。
(最近は舞台もスウェーデン、暗殺も銃を使う演出が増えてきたようです…ヴェルディも最初はそう書いたとか…)

いつ知り合ったのかはわかりませんが、部下の妻アメリアに恋をしているリッカルド、
かなり良心の呵責に責められております(ずいぶん長い間許されない恋に悩まされていたのが後の2幕デュエットでわかる)。

しかし占い師宅での立ち聞きでアメリアと両想いであることを知ったリッカルド、
同じように許されない恋に苦しむアメリアは悩みのすべてを忘れる薬草ジュースを飲みに行く決心をするわけですが、

多くの人が勘違いしてることも多いのですが、リッカルドはアメリアにその薬草ジュースを飲ませない為に「一人では行かせない、自分も行く」と言っているわけではないようです。

もう立ち聞きでアメリアが自分を愛しているという事実はわかった!。
その時点で基本的には、基本的には、もうアメリアの心を奪っているリッカルドとしては満足ではあるわけですが、

しかしその薬草ジュースをアメリアが飲んでしまう前に、
どうしても、
ど う し て も、
「愛しています」という言葉を直接アメリアから聞きたい、せめてひとこと聞いてその瞬間心だけでいいから通わせたいとリッカルドは願ったわけです。

デュエット場面でアメリアは出くわすはずのないリッカルドが墓場にいきなり出てきて超~動揺します。
最初アメリアは薬草ジュースを飲むことをリッカルド止められるのではないかと勘違いしました、
そのためにまずは頑強に抵抗してお願いです帰ってくださいとリッカルドに言い放ちます。
しかしリッカルドは薬草ジュースを飲むなとはアメリアには実はひとことも言っていません、
超動揺しているアメリアに「まずは落ち着いてくれ」と言っているだけです。

だから最初会話が噛み合わないような作りに2幕デュエットはなっていますね。

しかしリッカルドが来たのは… つづく