遺書 80人 魂の記録
59人目; 三遊亭金馬(さんゆうてきんば) 落語家
初代三遊亭圓歌に入門。
大正9年真打昇格。
大正15年に三代目金馬を襲名した。
釣り帰りの列車事故で左足を怪我した後は、前に釈台(しゃくだい:講談師の前に置く台)、腰に座布団の胡座(こざ、あぐら)姿で高座をつとめた。
18番は
「居酒屋」
「孝行糖」ほか。
著作も多く、博識ゆえに渾名(あだな)は、
“ヤカンの先生”。
昭和39年11月8日、肝硬変で死去。
享年70。
自作の死亡通知は、いざという時には月日を入れて使うようにと書かれていた。
無事死去つかまつり
このたび、無事死去つかまつり候間、ご安心下されたく、ふだんの意思により生花、造花、お供物の義、かたくお断り申し上げ候。
ふだんのがん固お許しください。
何百年後、極楽亭か賽の河原の露葉にてお目にかかるやも知れず、皆様長生きして下さい。
生前のお礼まで。
昭和___年_月_日
三遊亭金馬