静かな夜 4 | A・RA・SHI 青担 腐妄想小説

A・RA・SHI 青担 腐妄想小説

ワチャワチャした感じの嵐さん達が基本です。主に智君を中心とした小説です。BLなのは私が根っからの腐女子で、智君が大好きな為、悪しからずご了承を!山が多いかな!色んな感じの話を書けたら良いなと思ってます。







「翔、僕は、もう、悪夢は見たくないんだ。

ずっとずっと、ここで翔と暮らしたい。

昼間の夢の世界に、翔が居なくなっちゃったんだ。

あの、テレビの部屋にも、ショウは、来てなかった。

翔の事も、初めから居ないって言われたんだ。

そんな子知らないって。

なんで?あの辛い時間でも、翔と逢えたら、それだけで救われたのに。
どうして、夢の世界に、出てきてくれないの??」





翔は黙って、智の小さく震える声で伝えてくる言葉を、抱き締めながら聴いていた。

ただ、強く抱き締めてあげることしか出来ない事を嘆きながら………


「翔、何も言ってくれないの?」


顔をあげて、翔を見つめると愛おしそうにサトシを瞳に映して、泣きそうな微笑みを浮かべて見下ろしていた。


だまって、智の顎に優しく手を添え、そっと唇を合わせた。

何度も、ゴメン。と言う言葉の代わりに………愛してる、傍にいると、分からせるように、唇を合わせ続けた。


「智、ここでしか逢えなくなった。智が見てる昼間の夢の中には、もう行けないんだ。」


「僕は、もう、眠りたくない、翔に逢えない時間なんて、僕には必要無いんだ。
今、翔と居る静かな時間だけで良い。他に何も要らない。」


翔に伝え、智から、翔に口付けた。

翔の吐息と智の吐息が混じり合い、どちらともなく舌を絡め互いの想いを深く伝え合うように、愛の雫を交換し続けた。


そっと、智の肩を持ち、少し離そうとする

「いやだ!いやだ!翔、僕を離さないで。」

唇を押し付け、必死に離れる事を拒む智。

 

「智………聞いて。

俺と傍にいる事は、出来る。
でも、全て俺に捧げれる?俺とだけ俺と2人だけの世界で生きてく覚悟がある?

俺の世界は、この静かな闇夜だけ。
陽の光に憧れて、昼の世界に立ち寄った。
人の心の醜さは、漆黒のようだった。

あんなに、眩しく陽が照らしているのに……なんて、勿体ない生き方をしてる世界なんだ。
と、呆れ果て、闇夜に帰ろと思った時、君に出逢った。

あー。この子は、この世界の犠牲者だと。

あの、紛い物の陽の世界では、君の美しさは、消されてしまう。

智は、輝き続け、誰よりも耀の加護を受けるべきなのに。
智は、産まれ落ちる場所を間違えたのだろうと。
なら、俺の世界に呼び寄せ智が笑顔でいられるよう俺が照らし続けたいと思ったんだ。」



「翔は、ここで、独りだったの?寂しかったでしょ?」


「俺は、誰とも関わるのを避けて生きていた。独りでいる事を願い続け、1人の世界に生きたい!と叫び続けていたら、この静かな闇夜の世界に居たんだ。
そこで、微かに光る場所を見つけ覗くと、智が居た。一切、笑顔もなく全てに絶望した顔をしていたが……俺には智が輝いて見えた」



「僕を見つけて会いにきてくれたんだね。
1人が良いと思った翔が、僕を必要だと思ってくれたの?
僕だけは、傍にいる事を許してくれるの?」



「智……。
俺は、智だけが欲しい。他には何も要らない。たけど、こんな静かな場所に、智を閉じ込める事になる。だから・・・」



「へんなの。
僕は、翔が居るこの場所で、居たいと何度も言ったでしょ?

あの悪夢の世界に未練があるとでも?
馬鹿だな、翔は………ふふっ。
覚悟なんて必要無いんだよ。

僕は、翔と出逢う為に産まれ、翔と静かな夜の世界で、永遠を過ごす為に、生きていくんだよ。
翔が居ない世界では、僕は、スグ死んでしまうよ。そして、ゴミのように捨てられ終わるんだ。それでも良い?」


「じゃ、このまま、俺と共に生きてくれる?」


「勿論。
永遠に傍にいる。翔を1人にさせない。
僕が翔の光になる。
そして、翔は僕の光だから。」


吸い寄せられるように、強く抱き締め、唇を合わせお互いが混ざり合うように、深く深く口付けを続けた・・


傍に立って居た桜の木が、ピンク色の淡い光を放ち、2人を包み込んだ瞬間、暗い夜空に、眩い光が放たれた。


2人は、眩い光を感じ、お互い唇を離し、天を仰いだ。
キラキラと輝く光の粒が絶え間なく、空中を揺らめき闇夜は、美しいスターダストの世界と変わっていった。



「きれ〜い。こんな綺麗な景色、見た事ない。」

「俺も、初めてだ。智。ありがとう。智が、この世界にも光を与えてくれたんだ。」

「ちがう、僕と翔の2人揃ったからだよ。」

「そうだな。2人の光だ。」



抱き締め合い、Kissを繰り返した。
お互いの光を愛を、身体と心の奥深くまで、取り込み続けた・・・・。








智は、その後、悪夢の日常に戻る事は、無かった。

翔と同じく存在その物があの世界から消えた。

あの母親から産まれ落ちた事実さえも消え、智に関する記憶は消えて無くなった。


智は、美しい淡い光で覆われた静かな夜の住人となった。

誰にも邪魔されない、お互いを想い合う2人の愛情だけが糧の幸せな夜の世界🌙*゚