急死 | ひねくれ女、オランダへ嫁いでみた ー年の差婚・出産・育児ー

ひねくれ女、オランダへ嫁いでみた ー年の差婚・出産・育児ー

こじらせ独身期間が長かったせいか、天性の性格か。。。
ひねくれた私がオランダへ嫁ぐことになりました。
それにまつわる私自身のことを活字で残していきたいと思います。


最近悲しい別れが立て続けに起こり
自分の気持ちをなかなか整理できずにいた。

特に日本人コーラス仲間のご主人の急な訃報には
胸が引き裂かれる思いであった。

スポーツマンで63歳でもスラッとした
友達のご主人はジョギング中に
心臓発作でそのまま帰らぬ人となった。

彼は私が教えていた日本語コースに
生徒として参加していたことがあった。
私のしどろもどろのオランダ語での授業中
生徒さんたちの顔に「?」が浮かぶこともあり
そのときは唯一彼が私のオランダ語を理解してくれ
かわりにわかりやすく説明してくれることが
何度もあった。
本当にありがたかった。
彼が私のクラスにいなければ
心が折れてこの国で日本語教師を続けられていたかわからない。

コーラス仲間である奥さんはとても面倒見が良くて
近隣の日本人グループにも慕われる人であり
私も大好きな人である。

彼女たちご夫婦の印象は
いつもどこでも一緒のベタベタした夫婦ではなく
同志というか仲間というか親友という言葉が似合う感じ。
ロマンチックに腕を絡ませるというより
肩を組んでいるような印象を私は持った。
私の理想はそんな夫婦である。

急死や事故死はめちゃくちゃ残酷で
当たり前の日常が一変する。 
さっきまで聞こえていた鼓動が消える。

なんで?という疑問ばっかりが頭に浮かび、
最後の会話を思い出し
あれも伝えればよかった、
これも聞けばよかったと思うばかり。
なんで昨日の夜は
好きなものを作ってあげなかったのかと
自分を責める。

奥さんの気持ちを考えると本当に胸が痛く
言葉が見つからない。

そして、2人の娘さんたち。
ふたりとも手を離れて子育てもほぼ終わっているが
お葬式の時に
お父さんに向けて弔辞を読む二人の姿が
うちの娘ふたりの成長した姿に見えて
また胸が沈んだ。

病気だったらある程度の覚悟は前もってできるが
元気だった人が突然亡くなったときの喪失感…
私には耐えられない。
本当に無理。

オランダでは亡くなってから葬儀まで
1週間ほどかかる場合が多い。(私の感覚で)
奥さんも弔辞を読んだのだが
ハッキリとしたオランダ語で
しっかりと挨拶をされていた。
たった1週間でこんな挨拶ができるのかと驚いた。

20歳の年の差がある私たち。
覚悟はしたつもりだが
全然できていないと実感する。

今あるすべては当たり前じゃないとまた教わった。