7/6に当ブログでお知らせした通り、今年、十王堂(えんま堂)を新築いたしました。
これを機にえんま様を、古来の方法に則って、本格的にお祀りしたいとこころざしたところ、なかなか簡単ではないことがわかりました。
えんま様は、もともとインド神話のヤマ(Yama)をルーツに持ちます。
このヤマから、上空の夜摩天、南方を守護する焔魔天、冥界の王である閻魔が派生しました。
冬木沢のえんま様は、もちろん冥界の王である閻魔大王です。
日本では、平安時代の末から、南方を守護する焔魔天への拝み方と、冥界の王である閻魔への拝み方を巧妙にミックスして、えんま様への拝み方としました。
その曼荼羅が以下の図です(「覚禅鈔」より)
この図の中央のえんま様は、水牛に乗り、周囲をインドと中国の神様に囲まれています。
さてこのえんま様と周囲の眷属をどうやって拝むのか、古い指南をたどっていきますと、以下の図のように拝むべし、とあります。
これを読んだだけでは何やらよくわかりませんが、これを基に実際のおがむための壇(供養する台)を作成してみました。
専門家からのアドバイスもいただき、全てが平安時代と同じというわけではありませんが、何とか祭礼に間に合いました。
本日、えんま様の御前に、出来上がったばかりのその壇を設置しました。まだお供え物を全て乗せているわけではないですが、おおよそこんな感じです。
正直、我々もあまり見たことが無い壇です。
ふだん我々は、「○○如来」とか「〇〇菩薩」「○○明王」を拝んでいます。
えんま様は天部ということで「〇〇天」のグループに属しますので、それらとはだいぶ拝み方が違うようです。
ご利益は長寿延命と身体堅固・当病平癒です。「死」から遠ざけるご利益ということになります。
またいざ自分がえんま様の御前に進んだときに備えて、「その際はよろしくお願いします」と手を合わせるのも良いでしょう。
冬木沢にお詣りの際は、ご先祖さまの盆迎えにあわせて、ぜひえんま様もお詣りください。