えんま様の祀り方 | 会津高野山八葉寺 冬木沢詣りのブログ【公式】

会津高野山八葉寺 冬木沢詣りのブログ【公式】

福島県会津地方の「会津高野山八葉寺」は、夏になると「冬木沢詣り」で賑わいます。「冬木沢詣り」は毎年8/1から8/7までの一週間。公式HPで伝えきれない、こまかい情報を中の僧侶からお届けいたします。

7/6に当ブログでお知らせした通り、今年、十王堂(えんま堂)を新築いたしました。

これを機にえんま様を、古来の方法に則って、本格的にお祀りしたいとこころざしたところ、なかなか簡単ではないことがわかりました。


えんま様は、もともとインド神話のヤマ(Yama)をルーツに持ちます。

このヤマから、上空の夜摩天、南方を守護する焔魔天、冥界の王である閻魔が派生しました。


冬木沢のえんま様は、もちろん冥界の王である閻魔大王です。

日本では、平安時代の末から、南方を守護する焔魔天への拝み方と、冥界の王である閻魔への拝み方を巧妙にミックスして、えんま様への拝み方としました。

その曼荼羅が以下の図です(「覚禅鈔」より)


この図の中央のえんま様は、水牛に乗り、周囲をインドと中国の神様に囲まれています。

さてこのえんま様と周囲の眷属をどうやって拝むのか、古い指南をたどっていきますと、以下の図のように拝むべし、とあります。




これを読んだだけでは何やらよくわかりませんが、これを基に実際のおがむための壇(供養する台)を作成してみました。

専門家からのアドバイスもいただき、全てが平安時代と同じというわけではありませんが、何とか祭礼に間に合いました。

本日、えんま様の御前に、出来上がったばかりのその壇を設置しました。まだお供え物を全て乗せているわけではないですが、おおよそこんな感じです。




正直、我々もあまり見たことが無い壇です。

ふだん我々は、「○○如来」とか「〇〇菩薩」「○○明王」を拝んでいます。

えんま様は天部ということで「〇〇天」のグループに属しますので、それらとはだいぶ拝み方が違うようです。

ご利益は長寿延命と身体堅固・当病平癒です。「死」から遠ざけるご利益ということになります。

またいざ自分がえんま様の御前に進んだときに備えて、「その際はよろしくお願いします」と手を合わせるのも良いでしょう。

冬木沢にお詣りの際は、ご先祖さまの盆迎えにあわせて、ぜひえんま様もお詣りください。