しばらく小説を読んでいない。本当に読んでいない。大学生の時に時間がたくさんあり、暇さえあれば小説をかたっぱしから読んでいた。読み始めると止まらなかった。そんな読書熱は下がらず、社会人になって自分の時間は減っても小刻みな時間を縫い合わせて爆読みしていた。
それが今は、どうだろう?、老眼が出始め近いところも見えにくくなり始めたのを境に本を読むのも億劫になった。だから日経を毎日読むぐらいで活字から遠ざかってしまっている。
いま、地元の有線放送でHIBIKIという映画を放映していて、たまたま目にした。高校生が芥川賞、直木賞を同時受賞する話だが、響を演じる平手の演技が良い。本当に18歳なのか?と思える。年甲斐もなく好きになりそうだ。
怒られてしまうだろうが、今の芥川賞は本当に芥川龍之介の賞なのか?と思うくらいだ。本当に純文学の賞なのかと。響には大衆に迎合するところがない。「小説家たるもの自分の納得がいく物が書ければ本物、まだ私は書けていない」という芥川の言葉を借りた響の言葉、天才というのは最初から天才なのだから15歳だろうとすでに達観しているんだろう。
価値観が多様化し、それにより人間の高貴さって何処にいったのか?と思える現代、何事も自己責任を掲げ、なんでもあり感が出ている現代、日本人が尊んできた高貴さ、あるいはやせ我慢か、取り戻したいものです。
響の『お伽の庭』、存在するなら読んでみたいものです。
しかし、ネットで調べてみると始まりはマンガなですね。面白いです。