「港区の高さ制限について」の記事の続きです。

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【要望】

・港区住民のうち、約9割がマンションを含む集合住宅住まいであり、そのうち3割強が分譲ときいています。

「住民の会」の方々のお話を聞いていても、今回の「高さ制限の素案」については、事前に、最も直接的な影響を受ける分譲マンションの住人たちの意見を聞いていなかったり、コミュニケーションがとれていなかったことが、住民の不審や怒りの根源となっているような気がします。区では、「町会」という既存の住民組織を住民との広報ツールとしている現状がありますが、区全体を見れば住民のほとんどがそこに属していない現実を考えると、マンション住民の組織化、そことの連携、意思疎通の在り方というものを真剣に考えなければならないときに来ているように思います。



・そして、今回の素案の課題としては、高さ制限の線引きのエリア、老朽化マンションの立てかえ問題、総合設計への特例緩和措置、既存不適格となる建物の資産価値への影響への対応、といったことがあると思います。

線引きについては、前回質問の際にも指摘させていただきましたが、国の「都市再生特別措置法」に基づく「都市緊急整備地域」指定のラインにのっとって線引きされたものとなっていますが、住民の生活実態にあわせて細かな調整をするというのは区の仕事だと思いますので、意見があがっている地域を重点的に引き続き丁寧に対応、調整していただきたいと思います。



・また、老朽化マンションの建て替え問題ですが、繰り返しになりますが、耐震化に向けて住民が自助努力で建て替えを進めるために「総合設計」を使わざるをえない現状があり、これを規制するのは住民の生存権、財産権の侵害になると思います。指定区域内にはすでに25棟の総合設計許可がでている建物がありますが、特例緩和措置が絶対に必要だと思います。



・既存不適格になる建物については、素案の中では289件が対象になるとされていますが、より詳細な調査が必要だと思いますし、修正作業を進めていただいているものと思います。建物が既存不適格になると、当該マンションを売る際の「重要事項説明書」に「再建築不可」の記載が必要となり、販売価格を下げざるをえなくなることもあり、資産価値が下がるのではないか、と多くの住民が懸念しています。高さ制限をすでに導入している11区で、これまでに高さ制限により既存不適格になってしまって資産価値が下がったり、訴訟になったりしている目立った事例はないと聞いていますが、慎重な調査が必要かと思います。

ほかの自治体では、高さ制限導入時に、既存不適格の発生率をおおむね1%以下に抑えるようにしている例が多いと伺っていますが、港区の場合、素案段階で1・84%と高くなっていることも心配しております。他の自治体のように1回の建て替えを認めるとか、文京区のように共同住宅に限り、既存建物高さまで建て替え可能とするなど、資産価値ができるだけ下がらないようにするための、何らかの対処が必要だと考えます。



・最後に、「慎重な対応を」お願いしてはおりますが、最初に申し上げましたように、風評被害の問題などもありますので、いつまでもどうなるかわからない状態で住民に不安を与え続けるのも問題であり、港区の経済活動にとっても損失となります。できれば今年度中くらいには修正案をまとめていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。