20年前、南大沢駅近くの中山テニスクラブというテニスクラブに入会していた。中規模のアットホームなクラブで、気軽にテニスを楽しめるクラブであった。当時は今から思えば、しょぼいドロップショットだけが唯一の武器で、なかなか自分の思ったプレーが出来なかった。そのうちにテニスが面白くなくなり、転居とともに挨拶もせず、義理を欠いてテニスクラブをやめてしまった。

それから時々、夢にテニスクラブが自分の夢の中に出てくるようになった。決まって車の中からじっとウジウジしながら、ただ他人のプレーを見ている夢であった。

去年、思い切ってもう一度ビジターで遊びに中山テニスクラブへテニスをやりに行こうと決意し電話を入れた。受付の女性は私のことを忘れないでいてくれて喜んでくれた。

当日、クラブのオーナーはいつもの笑顔で私を迎えてくれた。クラブのオーナーも受付の女性も、病気のためにテニスが出来ないことを初めて知り悲しくなった。オーナーのアクロバットのようなスピンサーブや受付の女性のフォアハンドスライスはもう見られない。しかし、懐かしいクラブの人々と一日中交流し、昔のように和気あいあいでテニスが笑顔で楽しめた。クラブの皆さんは70歳近くでも元気で、そして明るくスポーツを楽しんでいる。素晴らしいことだ。自分もかなり刺激を受け、それからユーチューブでテニスのテクニックを勉強したり、上級者から直接技術指導を受けたりして、それをメモにして研究した。今も上手になりたい一心で素振りを毎日している。もちろん皮膚科の仕事に支障をきたさない範囲でだが。

そのきっかけをつくってくれた中山テニスクラブとクラブ仲間に感謝、感謝。