松村駒吉の著、悦に入り歴史のウラが楽しめると表紙に書いてある。とかく「この世は色と欲」という俗諺は歴史の人物においてもしつかりあてはまる、といわんばかりの小説。寝ころがって読むのが丁度よい。

 

      29・8・16

 このところ庭に出ていない。窓から外の変化を見ているだけだが、それも植物の生成発展を見ると、生きている甲斐がある。

 冬が来れば春を思い、春はやがて夏、緑一色、夏はうるさい程の葉の繁り、セミの声。これを何十年くりかえしている間に生物の生命はつきる。これが輪廻というものか、としみじみ思う。も少し生きて、その変化を見たい。

 

    29・7・2

 某新聞の七月二十一日朝刊の見出しに、「アベノミックス限界・物価二%六度目先送り」とあった。

 私は、先にこの欄で黒田総裁の発言に早速反対をした。日銀は国内では資金の圓滑な供給と物価の抑制を主眼とすべきではないのか。第一アベノミックスなどわかったようなわからないような政策の旗振りはいかがなものか、と述べたような気がする。

 黒田氏も外回りが長くて日本経済をよく知らないのぢゃないか、と思っていた。

 物価を上げるようなことを日銀の方針として言う前に経済成長を言うならまだわかるが、と思っていた。

 このようなことはもう過去のことになってきたから、もう言わないが、日銀総裁はもうこの辺で替えたほうがいいのではないか。

 もっとも今更日銀総裁が何を言ったって大した効果があるとは思えないが。