正義が達成されたのに素直に喜べないのは何故…
それどころか、彼女の頬には一筋の涙…
『ゼロ・ダーク・サーティ』
ラストの突入シーンは見応えたっぷりなんだけど…
暗闇の中での赤外線スコープからの視界や
夜の静寂の中で響くヘリの音が、現場の緊迫感を伝える。
爆破や銃撃戦が緊張感を煽る。
けど、スカッとしないし、達成感も得られない。
テロ組織の家族が泣き叫ぶ声のせいなのか…
ひとつの任務が終わったにすぎないからなのか…
世の中には様々な正義が存在する。
それもあって、現実では物語は終わっていない。
終わる気配もない…
そして、こうも平和に暮らしていると
世界的大事件でさえ他人事で忘れてしまうことにも気付く。
9.11が起こったとき、もの凄くショックで騒いでいたけれど
今となっては毎年9月にニュースで見ないとそれを思い出さない。
出来事を風化させないのもエンターテイメントの役割なんだろう。
昨年の『希望の国』なんかも同じで。