令和2年 7月10日

明日にでも 迎え欲しいと 嘆く父
粒コーン 丸呑み一気 箸無しで
笹船を 一人漕ぎ逝く 七夕日
笹船で かの岸辺へと 乗せ送る
笹船が 壊れ流れし 父戻る
天の川 亡き妻待つ かの岸辺
ありがとう 逝く道すがら 目のサイン
着せづらさ 食う寝る日毎 服縮む
逝くときは 晴れた日にと 言い聞かす
長梅雨に 草莽覆う 地や心
雨垂れの 物干し竿が 夏を待つ
朝顔が 風飛ばす雨に 耐え萎む
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