このブログではオウムがらみの三大事件として坂本弁護士事件、村井刺殺事件、警察庁長官銃撃事件を扱っているが、坂本弁護士事件だけでなく村井刺殺事件もまた同様の大きな謎が残っている。
当時村井がテレビで発言した内容は生放送であり、後から修正の利かないものであった。
そして、村井が刺殺された瞬間も豊田商事以上に生放送で全国に流れた。
村井の発言で致命的なものは少なくとも二つあり、そのうちの一つが「一人を殺すより一気に大勢をポアしたほうが功徳になる。」というものである。
これはまさにオウム真理教がヴァジラヤーナを実践しているという動かぬ証拠になってしまった。
だとするなら、なぜ麻原は村井をテレビに出したのかの疑問が残る。
上祐一人に任せてもいいし、村井の代わりに野田正悟師や広瀬を代役にしてもミスをする事はなかったように思う。
そして、村井のもう一つのミスは化学兵器の世界的権威を前にして、プラントの設計にハステロイを使っていると自慢げに喋ってしまった事である。
農薬を作るプラント、これは元々虫も殺さないというオウムの教義と矛盾する言い訳であるのだが、農薬を作るのであればハステロイは必要ない。
オルソンは「ハステロイが必要なのはサリンを作る場合だけ。あなた方がサリンを作っている事は間違いない。」と断言した。
そして、こうも続けた。
ハステロイ。その言葉を引出したかったのだと。
村井は絶句しコマーシャルの間に退場させられたが、時すでに遅し。
オウム真理教がサリンを製造していると自供するも同然の内容が全国ネットでテレビ放送されてしまった。
しかし、つくづくおかしい。
村井をテレビに出せば、こうなる事は事前に分かっていたはずなのだ。