いや~、また物凄い勝負だった。
凄まじいねえ、とか言いたくなってくる。(笑)
藤井聡太勝勢で迎えた終盤、9三に打たれた歩を見て渡辺が考え込む。
この時点では藤井聡太のミス。
勝負は振り出しに戻っていた。
しかし、つられるように渡辺もミスを犯してしまう。
同玉と取らずに8三に交わした手で即詰みとなる。
藤井聡太はノータイムでこの29手詰みを読み切り、ほどなく渡辺の投了となった。
駒台に乗っていた4枚の歩をすべて使い切り、何も残さない詰将棋のような詰め上がり。
見事という他ない。
渡辺曰く、二人ともエアポケットに入ってしまった。
まさしく、人間同士の勝負ならではのドラマだった。
それにしても今回もまた、藤井聡太の強さが際立っていた。
AIには勝ち筋が見えているとは言っても、正解は一つしかなくそれ以外は全部逆転という場面が続く。
相手がA級棋士でも必ずどこかで間違えて、渡辺の逆転勝ちになっていただろう。
ところが、人類の中で、藤井聡太だけがその逆転を許さない。
まさしく、天才の中の天才だ。
いや~、ほんと、いいものを見せてもらった。