昨日はまだ女郎蜘蛛がいた。
一匹だけぽつねんという感じだった。
巣の下を通る時に頭が引掛ってしまって、その時に動いていたので死んでいたわけではあるまい。
本来なら、もうとっくに最後の力を振り絞って卵を生み、死に絶えているはずだ。
どうやら今回はパートナーに恵まれなかったらしい。
まあ、しょうがないよね。
やって来るオスを食っちまうんだから。
弱いオスでは満足できない強いメスならではということなのだろう。
そこは人間界でも虫の世界でも同じ事。
今日はもう、雪が降り始めた。
力を持て余したまま、子孫を残せず死んでいくしかあるまい。