終末と救済の幻想9 | 法友(とも)へ

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p180

「麻原は、・・とても動揺してきたので、座って静かにしているようにという裁判長の指示を無視した。」

 

明らかにおかしい。

どう見ても演技にしか見えない。

その目的は、井上の発言に信憑性を持たせる事にあるように思える。

なぜなら、麻原がおかしくなればなるほど、世間には逆に井上の発言がまともに思えてくるからだ。

麻原にとって井上がどうなろうとどうでもいい事のはずだし、自分の言動によって自分がどう評価されるか分からないほど頭が悪いわけではない。

もちろん、逮捕される前から自分が死刑になるのが確実な事も理解できている。

教義の上では、ヴァジラヤーナのグルは弟子を見捨てるものであるので、弟子から見捨てさせるように仕向けて、実は弟子を見捨てていると考えるのが自然である。

この辺りからどんどん壊れていくわけだが、何故そうなったのか全く分からない。

どう考えても麻原が壊れてしまう理由が見つからない。

論理的整合性がある答えがあるとしたら一つだけだ。

それは、麻原が自分で自分を壊したという事である。

 

p209

「私は本書を通じて、オウム真理教の信者たちが世界を終わらせる暴力へと奇怪にも突入していった、その行動と動機を明らかにしようとしてきた。」

 

はぁ~、全く嫌になってくるが、世間のオウムに対するイメージはそういうものなのだろう。

まるで信者全員がそうであったかのように思われているが、実際には全く違う。

この点が他のテロ組織とオウムとの決定的な違いである。

テロ組織とは、構成員全員が破壊活動に手を染めている。

ところがオウムの場合、テロを起こしたのはほんの一部の者達だけである。

日本にもテロを起こさないカルト集団はいくつもあるが、オウムはその様な集団とテロを起こす一部の者達が一つになった極めて珍しい組織だったのだ。

 

同じくp209

「すべての弟子が出家者となるときに受け取った宗教名に・・・」

 

いやいや、出家しただけじゃもらえないんだが。

 

同じくp209

「弟子たちにとって、グルを超える神は存在しなかったし、・・・」

 

いや、麻原の上がシヴァ神だし、オウムには一般的な宗教のような神は存在しない。

ほんと、シヴァ神とかアートマンというと誤解する人が続出するんだよなあ。

グルとは導くものであり、全身全霊で修行に打ち込むのは弟子として当然である。

いやならワシのように辞めればいい。

辞めないのは個人の意思でそれを選択したという事だ。

自分で選択しておいて麻原が悪いと文句を言うのはお門違いである。

シヴァ神とはグルの中のグル、原初のグルであり、最初から完璧・絶対・不変の存在だ。

シヴァ神の別名が真我である。

事件に関与した実行犯たちは、自分の意志で事件を起こしたのであり、教団を離れる事が出来なかったのは、自分が教団内で確立した地位や権力を手放したくなかったからに他ならない。

もう一度言おう。

自分で選んだ事なのに、他人のせいにするな。