近所の図書館にはなかったので取り寄せ。
京都府内には蔵書は2冊だけで府立図書館にはない。
こういったケースでは1ヶ月位かかるのが普通だが、コロナのせいか今回は早かった。
最初の方を軽く読んだ感じでは、オウム本にしては珍しくよく出来ていると思う。
オウム真理教を知らない人にとっては、村上春樹本と並ぶ入門書として適していると思う。
元オウム幹部に取材してどうこうという本が何冊も出てはいるが、著者が意図的にやっているのか取材能力が足りないのか、理由はわからないがどう見ても客観性が足りなくなってしまっているように思える。
それに対してこの本は、日本人のために書かれたものではない。
アメリカ人の大学教授が英語で出版したものの日本語訳であるために、どこにも日本人に阿る要素がなく非常に優れた内容になっている。
ただ、全てのオウム本、そして全てのオウムに関する考え方と共通のミスを犯しているように思える。
それは、この本の著者が悪いわけではなく、麻原のマインドコントロールが見事だったという事なのだが。
世間の人々は、オウム信者は麻原にマインドコントロールされていると言って見下しているが、実は自分たちが麻原にマインドコントロールされてしまっているという事に全く気づいていない。
マインドコントロールを見破るには、教義と方便の違いを理解する必要がある。