30分後。
次の行法は1階で行いますという連絡があり、さっそく1階へ降りてみると。
例のちびっこブロンドは、さっき見た時よりも広範囲におもちゃがちらばった中で、ご機嫌で遊んでいた。
そこへまたさっきの指導員(合気道の心得あり)がやって来て、「早く片付けなさい。」と声をかける。
で、ブロンド少女は例のごとく、「もっと遊びたい。」と反論の意見を述べる。
次の瞬間、
「パーーーン!」
結構な破裂音が道場に響き渡った。
まだ小さな女の子へ向けての、大人の男の手加減抜きの平手打ち。
ああ、昭和は遠くなりにけり。
今では完全に虐待だよね。
指導員は畳み掛ける。
「ちゃんと片付けるって自分で約束したじゃないかー!」
あ~ぁ、大変な事になったなと思っていたが、その後不思議な事が起こった。
女の子は何も言わず、静かにおもちゃを片付け始めた。
手際が良い。
俺だけ散らかっていたおもちゃが、あっという間に片付いていく。
泣きもしない、怒りもしない。
ただ黙って片付けていく。
もちろん、指導員は手伝わない。
またしても、観念崩壊だった。
ヨガって凄いね。