朝日杯、藤井対渡辺の準決勝の対局はまたしても藤井の勝ち。
とんでもない大逆転だった。
中盤以降渡辺の優勢が続き、終盤に入って勝勢になっていく。
相手が藤井以外ならすでに勝負ありの局面で、粘る粘る。
121手目の渡辺が8七香と打って王手をかけたところで藤井の応手が8五歩の中合い。
詰将棋でも割と出てくる手筋だが、渡辺はこの瞬間にしまったと思ったのではないだろうか。
藤井が8四に歩を打ってくれれば詰み、単に7四に逃げても詰み、しかし、8五にまで香車を呼び込んでから7四にかわされると香車を取られてしまう。
プロであるからこそ中合いの意味を重く受け止めてしまったのかもしれない。
しかし、7四玉と交わす手には7三金の鬼手があった。
だけど、秒読みでこれを見つけ出すのはやっぱり難しかったんだろうなあ。
いやあ、凄い勝負だった。