色々と本を読み漁っているうちに、ヨガにおいてはチャクラとかクンダリニーとかというものがあるという事が分かってきた。
中学生の頃の事である。
今では、小学生でもチャクラやクンダリニー、そしてシヴァ神という言葉を知っていると思うが、当時は中学生でもそんな言葉を知っている者はほとんどいなかったのではないかと思う。
さらに沖正弘の本に書かれていたのは、ヨガ最高の行法が瞑想であるという事だった。
これはアシュタンダヨーガの考え方としては当然のことであるが、ハタヨガ中心の現代ヨーガにおいては非常に珍しいと言える。
そして、沖正弘の本にはもっと重要な事が書かれていた。
それは、ヨガの目的が解脱にあるという事だった。
これは衝撃的だった。
その解脱という言葉を見たときに思ったものだ。
ああ、自分は解脱するために生まれてきたのだと。
そうか、そうだったのか、という感じだった。
だが、本を読んでいるだけでは詳しくは分からない。
公民館のカルチャーセンターのようなところで、ヨガ教室もやってはいたが、どうもしっくりこない。
ヨガの事をもっとよく知りたい。
その思いが日増しに強くなっていった。
それで、高校生のとき、春休みを利用して沖ヨガの本部道場へ出かけることにした。