アルファゼロとエルモの対局をいくつか見たが、日本のAI同士では見たことがない不思議な棋譜になっている。
序盤は明らかにアルファゼロが強い。
中盤はほぼ互角。
しかし、終盤はアルファゼロよりも、むしろエルモのほうが強いように思える。
アルファゼロの序盤はもはや神がかり。
日本のAIも人間相手なら負ける要素がどこにもないのだが、その日本のAIとプロ棋士の差が、そのままアルファゼロとエルモの差になっているように思える。
そして、その差をキープしたまま中盤を乗り切って、終盤には挽回不可能な状態を作り上げて勝つ。
なのだが、終盤があまり上手くない、とはいっても人間のようにミスをするわけではないが、アルファゼロは仕留めるのにもたついている。
日本のAIが簡単に詰みを見つける場面で、詰みを見逃す場合もある。
ここから導かれる結論は、ミスのないAI同士なら、序盤ですでに勝負が決しているということになる。
人間の能力の低さによって、逆転が起こっているだけだというわけだ。(笑)
不思議な事だが、これだけ自己学習で強くなっても、詰みだけは教わらなければそう簡単には強くはならないということなのだろうか?
それと、序盤でチャンスが有れば、アルファゼロはすぐに仕掛けていくのだが、隙きがない場合は手待ちをしている。
人間も、日本のAIも同じなのだが、アルファゼロが仕掛けは無理と判断している状況で、無理に仕掛けて自滅しているということなのだろう。
ということなら、将来において、将棋の対局はほとんどが千日手で指し直しということになってしまうのかもしれない。