マハラジの本は世界には数冊あるらしいのだが、日本ではこれが2冊めとなる。
翻訳者が違うために前作とは全く違った印象になっている。
マラティー語から英語への訳者も違うし、英語から日本語への訳者も違う。
2重にフィルターがかかっているために、本当に同じ人間が話した事なのかと思ってしまうほどだ。
それともうひとつは、前作が初期の頃なのに対してこちらは死が差し迫った頃だという違いもある。
その特徴は、前作は現世的な質問が多かったが、こちらは純粋に解脱についてのみ語っているところにある。
そのため、その分だけというか、それ以上に難しい内容になっている。
まったく、こんな難しい本をいったい誰が必要としているというのだろうか。(笑)
それにしても、難解と言うのとは別の意味不明な部分が多々ある。
それは、当時のインド独自の文化や慣習に基づいた表現の部分である。
当然それらは現代の日本人には無縁のものだ。
どうしても国や言語による壁は存在し、真理の理解を阻むものとなっている。