中川智正との対話③ | 法友(とも)へ

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ジクロをベースとして、サリンの場合は塩素をフッ素に置き換える。

 

VXの場合は硫化水素である。

 

なんだかもう、すでに危険な臭いがプンプンする。

 

この時に塩酸が発生するので、ジエチルアニリンで中和するのだろう。

 

 

次の段階では、サリンの場合はイソプロピルアルコールを滴下する。

 

VXの場合はエタノールである。

 

この時、おそらくだが硫酸と硫化水素が発生すると思われる。

 

ここも多分、ジエチルアニリンで対処。

 

なんとなくだが、この段階でサリンよりもVXの方が毒性が強いんだろうなと感じる。

 

これでEMPSHの完成であり、サリンの合成とほぼ同じ手順である事が分かる。

 

土谷にとってはどうと言う事は無い作業だったのだろうと思う。

 

 

次はDECL。

 

これは、CLCH2-CH2とN-2i-Prの二つに分けて考える。

 

僕は土谷のような化学の専門家ではないので、初めから二つに分けて考えたのではなく、左端からどういう構造になっているのかを見ていった。

 

CLCH2-はCLCH3、つまり塩素とメタンの化合物。

 

そういうものがあるのかどうかを調べたら、あった、クロロメタンだ。

 

そして、液体ならクロロメタノール。

 

CH3ではなくCH2-CH2-なのだからメタノールではなくエタノール。

 

おそらくクロロエタノールという物質があるだろうと思って調べたら、やはりあった。

 

これで左半分が何であるかが分かった。

 

 

次は右半分だ。

 

窒素にイソプロピルアルコールがくっ付いている。

 

これはサリンの合成の時と同じように、おそらく元々あったものとイソプロピルアルコールを置換したのだろうと考えた。

 

それはなんだろう?

 

真っ先に思いつくのは水素だ。

 

水素なら後から別のものに置換したりほかの物質とくっ付けるのは容易い。

 

窒素の周りに水素がくっ付いた物質、NH3。

 

分かってみれば簡単な事、アンモニアだ。

 

アンモニアにイソプロピルアルコールがくっ付いた物質なら、おそらくイソプロピルアミンという事になるはず。

 

調べてみたらやはりあった。

 

そして、イソプロピルアルコールが二つくっ付いているのなら、その物質の名はジイソプロピルアミンのはず。

 

調べてみればやはりあった。

 

 

これで答えは見つかった。

 

クロロエタノールとジイソプロピルアミンを反応させればDECLが出来るはずだ。

 

化学の素人である僕でさえ答えに辿り着いたのだから、専門家である土谷なら即詰みだったんだろうなと思う。

 

 

あ、そう言えば、ジクロは禁止薬物に指定されていると思うけど、クロロエタノールとジイソプロピルアミンってどうなっているんだろうなあ?