サマディに入るためにムドラーを行うのであれば、アパンクリアよりもヴァヤヴィヤのほうが優れている。
アパンクリアはエネルギーを強めるのには向いているが、どちらかと言えば魔境的なエネルギーと言ってよい。
これはレーチャカのみという偏ったムドラー形式にその原因があると思われる。
やはりレーチャカとプーラカはバランスよく行われるべきである。
そして、最も重要なのが最初の25回の出入息である。
これが正しく行えれば、ヴァヤヴィヤは8割方完成したといってよい。
次に考えることは数あるヴァヤヴィヤの中で、どのやり方がベストなのかという事である。
それは上体を前に倒し、数を数えるというやり方である。
ただし、ある程度の身体の柔軟性が必要となるため、その前段階の行法としてアーサナや浄化法をマスターしておく必要がある。
もちろん、25回の出入息のマスターのためには、スクハプールバカ(快適な調気法)を繰り返し練習すべきである。
最後のポイントが数を数えるという事である。
観想は行わないし、マントラも唱えない。
これは出来る限り脳の活動を少なくするためである。
アパンクリアだとナボームドラーからのウッドジャーランダラバンダを行うが、やたらとウッドジャーランダラバンダに脳の活動を使ってしまう。(笑)
マントラや感想も同じ理屈である。
上体を起こして真っ直ぐに保つのも邪魔な脳の活動である。
上体を前に倒して額と両肘が床についている体勢なら、あとはそのまま脱力するだけでよい。
バンダが極まればそのままロックされるし、肉体的にどこかの部分を維持する必要がなければ同時に脳の活動も必要なくなる。
神秘体験が、というよりも何らかの体験が起こっているうちは、それらは全て脳内現象である。
脳の活動を止める、すなわち心の作用を止めない限り解脱はない。
さあ、準備が整ったところで、後は死の向こう側へ旅立つだけだ。(笑)