ほぼ1日中激しいムドラーを行じ、丸二日が過ぎた。
時間の経過と共にクンバカは長くなり、心臓の鼓動はますます激しくなってくる。
最初はゆっくりと脈打っていたのが段々と早くなり、どくどくどくっと途切れることなく連続するようになった。
もう入り口まで来ている。(笑)
1秒間に数回、1分間なら200回を超える心拍数が数秒続いては穏やかになるを繰り返す。
心臓の動き以外は、身体のどこにも異常は感じない。
心臓の動きが激しくなるにつれて、加速度的にクンバカ時間は伸びていく。
考えてみればヨーガの行法というものは恐ろしいものだ。
バンダによって内臓を引き上げ、肺の後ろ側に送り込む。
みぞおちの上側にすっぽりとこぶしが入るほどに横隔膜を引き上げて、心臓を圧迫する。
周りから抑え込まれて自由に動けなくなった心臓は、バンダが緩んだ瞬間に激しい動きを取り戻し、全身に血液を送り出そうとする。
そして、次のバンダで再び抑え込まれ、身もだえするような弱弱しい拍動となる。
まさにヨーガならではの力技。
尋常ならざる激しい呼吸法に、肉体を最大限に駆使して物理的に心臓の動きを止める。
いったい、どこの馬鹿がこんな無謀な事を思いついたんだ!(笑)