クンダリニーという言葉、というか、正しくはそれに類する言葉というべきかもしれないが、を聞いたのは高校生の時だった。
当時はクンダリーと言っていたように思う。
それが時間の経過と共にいつしかクンダリーニとなり、85年ごろだったろうかクンダリニーと呼ばれるようになり、現在もそれが定着している。
クンダリニーは別にオウムが言いだした事ではなく、遥かそれ以前から説かれている話である。
男性原理中心の世界に、クンダリニーという女性原理のエネルギーを目覚めさせ、それとの合一をはかる。
これがクンダリニーヨーガの骨子である。
シヴァ神の象徴、男性原理たるリンガに絡みつく蛇がクンダリニーである。
この蛇は眠っている。
修行者以外でこの蛇が目覚めることはない。
この蛇が目覚めるためには、ある一定の条件を満たす必要がある。
そのひとつ、絶対に外せない条件が、生命の危機である。
その生命の危機を上手く使い、体系的に組み立てたのがクンダリニーヨーガのシステムなのだ。
高校生の時に読んだ本にはこう書かれていた。
呼吸を止め、その苦しさにもがいていると、尾骶骨に眠る女神は修行者を守るために目を覚ますと。