最初に大宇宙占星術を使った時の象意は木星。
これは、支部活動においては、入信を意味する。
で、支部に戻ってきてみると、驚くべき報告が待っていた。
その日は2名の入信があったということだった。
まあ、なかなかいい数字だ。
驚くべきは、その内容だった。
1名はオウムのチラシがポストに入っていた事があり、オウムを知ってはいたが特に興味はなかった。
しかし、その日は何故か、道場に行ってみたくなったのだという。
突然、そんな風に思い立ち、道場にやってきて、少し話を聞いてすぐに入信した。
凄いな、大宇宙占星術。
人の心まで操ってしまうのか。
大宇宙占星術にはある程度の効果を期待していたが、まさかこれほどとは思わなかった。
何の努力もせずに、勝手に入信してしまったのだから。
ところが、もう1名の入信はもっと凄まじかった。
その人は、入信する当日まで、オウムの事を知らなかった。
その日、たまたま道場の前を通り、看板を見て、面白そうだからと中に入り、その場で入信した。
なんなんだ、これは、いったい?
この世界には、大宇宙占星術に限らず、術と呼ばれるものが存在し、その力を使う者たちは、この世界を操っている。
そう思わざるを得ない。
術と呼ばれるもの、その力の片鱗を垣間見た瞬間だった。