麻原の指示に逆らうという事と、麻原の指示を実行しないという事は、全く別の話である。
これには、「口の行い」と「身の行い」という、明確な区別がある。
一般人にとってはどちらも同じに思えてしまうのかもしれないが、オウムの教義においては、身・口・意における行いはそれぞれ別のものであると考える。
まあ、一般人にも分かりやすい例えという事になると、「論理的思考は常に正しい。」というのがいいかもしれない。
「論理的思考は常に正しい。」
これは完全な事実なのだが、そのことを知らない人もいるだろう。
ここで勘違いしやすいのが、論理的思考によって導かれる結論を、論理的思考そのものと思ってしまうことだ。
正しいのは「思考」だと言っているのに、正しいのは「結論」だと思ってしまうのだ。
論理的思考が過程であり、そこから導かれるのが結果である。
もちろん、過程と結果は別のものである。
麻原に逆らうというのが過程、サリンを撒かないというのが結果である。
これまた当然に、そのふたつは別のものである。