改めて、ponanzaとelmoの対局を振り返ってみたい。
あの戦いは、まさに死闘と呼ぶべき素晴らしい勝負だった。
いやあ、本当にいいものを見せてもらった。
なんて素晴らしいんだ!
http://live4.computer-shogi.org/wcsc27/kifu/WCSC27_F7_ELM_PON.html
40手目、6四角から8五桂と跳ね、7一飛と回りponanzaの玉頭攻めが始まる。
あいてがプロ棋士なら、もうこの辺で勝負が終わっているだろう。(笑)
しかし、elmoは強い。
まるで大山名人のような受けの妙手を連発する。
そして、受けた後の反撃がまた鋭い。
57手目の3五歩が十字飛車を狙っているのだが、2二銀と引かされて玉の逃げ道がなくなってしまった。
1四ではなく1三に歩を打てばよかったのではないかと思えるのだが、どうなのだろうか?
71手目の1九角が受けの妙手なのだが、これは人間には指せない手。
76手目の1二香は普段のponanzaなら有り得ない手待ち。
ここでelmoが仕掛けるのだが、ponanzaが攻めているように見えて、実は攻めさせられて切らされるように見える。
7五銀、同角に対する4五桂が凄まじい応手。
9七歩成りからponanzaの攻めが決まっているように見えるが、elmoがぎりぎりの受けを繰り出して凌いでいる。
しかし、88手目の1七香がponanzaらしい着手で、飛車の横利きをそらして仕留めたかのように見える。
92手目、8九銀で決まったように見える。
しかし、このあたりの評価値はponanzaはプラマイゼロ、elmoがプラス600ほど。
95手目の7九香、盤上この一手の見事な受け。
素晴らしい。
105手目の再びの7九香が再び素晴らしい。
117手目の8九銀の受け、実に見応えがある。
120手目の7五歩がponanzaの勝負手。
これを同龍と取ってしまうと、横利きがなくなり詰まされてしまう。
8六龍とかわして、elmoの評価値は800、勝つ可能性は8割程度となった。
130手目、ponanzaの指す手がなくなったかのような1五歩。
ここでの評価値は、elmoが1000超え、ponanzaがマイナス500。
ここに来てようやく両者の評価が一致し始める。
コンピュータがこうなってしまったら、もはや形勢が覆ることはない。
134手目の4一桂は、3三香打ちを防いだもの。
しかし、この場面で、7五香打ちはなかったのだろうか?
さっきの7五歩と同じで、同龍と取れば9六の地点に桂馬を打たれて詰まされる。
8六龍と逃げても、7七香成りで同龍と取るほかなく、同じく詰む。
7五香打ちに3三香と打ち込まれた場合、7六の龍を取って詰めろをかけても、3二香成りから詰まされる。
そこで同桂と取るしかないが、同歩成りに同銀だと1一飛成りとされて負け。
そこで同金と取る事になるが、これはponanza有利のように見える。
この辺まで来ると、もう読みが追い付いていかないのだが、実際にはどうだったのだろうか?
誰か検討してないかなあ。