中川の事がニュースになっているが、オウムを知る者なら誰でも初めからVXだと思っていただろう。
あの殺害方法で、他に何があるのか、逆にこちらが聞きたいぐらいである。
で、問題は、中川がどうやって殺害を知ったのかという事である。
おそらくは、新聞記事を見たのだろうと思う。
まあ、拘置所内はブラックボックスなので、だろうとしか言えないのだが。
ここでさらに具体的に考えてみると、次々に疑問が沸いてくる。
死刑囚は独房の中にいるのだから、誰かが新聞を運んでくるということになる。
東京拘置所の収容人数は3,000名であり、死刑囚は数十名である。
死刑囚のための新聞は何部あり、一人あたりの時間はどのくらいなのだろうか?
希望すれば持って来てくれるのであり、希望者はそれほどいないという事なのだろうか?
一人一人がじっくり読んでいると、東京拘置所全体ではものすごい数の新聞が必要になりそうな気がする。
何より驚いたのは、オウムの死刑囚に対して、VXの情報が隠されることなくそのまま伝わっている事である。
死刑囚というものは、精神的に不安定になるからとか何とかという理由で、外部との交流を遮断されている存在である。
それが、自分が直接殺人に関わった事に関する情報も、黒塗りになることなく伝わってしまっている。
なんだか、ものすごく矛盾をしているように思うのは、僕だけだろうか。