中川の手記16 | 法友(とも)へ

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サリンの原料や副生成物、さらにその分解物の中にはエタノールはない。

 

しかし、タブンの製造においてはエタノールが使われている。

 

そして、タブンが分解され無毒化する過程で、エタノールが生成される。

 

タブンは検出されていないがエタノールは検出されている。

 

なので、「多分、それはタブン。」としか言いようのない話である。(笑)

 

 

1994年4月、土谷はソマン、タブン、シクロサリン各20gの合成に成功している。

 

しかし、これらは事件に使用されていないため、警察は詳しい内容を調書に残していない。

 

したがって、土谷がどうやってタブンを合成したのかは分からない。

 

警察もまた、地下鉄サリン事件において、タブンは使用されていないという見解だということになる。

 

まあ、ここでも土谷の手記が読みたいなあという話になる。

 

 

タブンは、塩化ホスホリルを出発物質として、エタノールや三塩化リンなどを加える4段階の反応を経て合成される。

 

ただ、出発物質の塩化ホスホリルが、三塩化リンと酸素を反応させて生成されているので、結局サリンと同じ5段階の反応と考えていいと思う。

 

 

ここで使われている塩化ホスホリルは、タブンだけでなくサリンやエチルサリンの製造にも用いられているものである。

 

エタノール、三塩化リンと順次反応させていくとその生成物は、DCとほとんど構造が同じで、メチル基がエチル基に置き換わっただけである。

 

これはDCがメタノールを使っているのに対して、タブンがエタノールを使っているという違いによるものである。

 

したがって、被害者の尿からメタノールが検出されれば、使用された毒ガスはサリン。

 

被害者の尿からエタノールが検出されれば、使用された毒ガスはタブン。

 

そう考えることが出来る。

 

 

で、土谷がどのようにしてタブンの合成に成功したのかということについて、僕の推測を書いておこう。

 

まあ、実際にはどうだったのかは、土谷に聞いてもらうしかないのだが。(笑)

 

 

第1段階

三塩化リンとエタノールを反応させる。

ここで酸が発生するので、中和するためにジエチルアニリンを使う。

 

第2段階

ヨウ素を触媒として、酸素の二重結合を作る。

 

第3段階

5塩化リンを使って、エチル基を塩素に置き換える。

 

第4段階と第5段階は、一般的な方法と同じである。

 

ということになる。