DC+DF+IPAがこの時の生成方法である。
この時に生成された青いサリンが松本サリン事件で使われた。
このDC+DF+IPAを見て、今までの様々な疑問が解消された。
なるほど、そうか、という感じである。
地下鉄サリン事件では5段階の反応でサリンが生成されたが、松本サリン事件では、まだ4段階の生成方法でサリンが作られたからこうなっている。
その違いは、塩基の有無である。
Dはディ、日本語で言えばジ。
前にこのブログで解説した通り、ジはふたつのという意味。
Cは塩素、Fはフッ素。
DCは二つの塩素でジクロ、DFは二つのフッ素でジフロ。
すなわち、メチルホスホン酸ジクロリドとメチルホスホン酸ジフルオリドである。
IPAはそのまま、イソプロピルアルコールである。
地下鉄サリン事件の5段階の生成方法では、最終段階でメチルホスホン酸ジフルオリドにイソプロピルアルコールを滴下しながら、塩基であるジエチルアニリンを加えて発生する酸を中和している。
酸を中和しなければ、サリンの反応が止まってしまうためである。
それが、この4段階の生成方法では、ジエチルアニリンの代わりにメチルホスホン酸ジクロリドを使っているのだ。
土谷も上手い事考えたものだなと思う。