呑気そうに寝転がって青空を見ているわけにもいかないので、すぐさま飛び起きた。
真っ先に目に飛び込んできたのは、横倒しになり、奇妙な形にねじ曲がった門扉の姿だった。
左側は、支柱とのつなぎ目がちぎれていた。
右側は、かろうじてつながっているものの、支柱はあり得ない角度に折れ曲がっていた。
機動隊のパワー恐るべしだ。
機動隊の姿が見当たらないので、すでに全員が僕をまたいでサティアンへと向かったのだろう。
そう思って、サティアンの方へと目を向けてみると、そこにはジュラルミンの壁があった。
さっきはサティアンへ向かってジュラルミンの壁が押し寄せてきたが、今度はサティアンの玄関を背にして壁が出来、こちらの侵入を阻止していた。
この時にも、なんだか不思議なことに気が付いた。(笑)
さっきの突入の時と違って、今度は機動隊員たちの姿が盾の上から半分ぐらい見えている。
これはどういうことだろうか?
突入の時とガードするときとでは、体勢が違うということなのだろうか?
それとも、オウム相手にはこれで十分という考えなのだろうか?
まあ、いずれにせよ、この壁を突破できそうにないということは確かだった。
そして、壁の向こうのサティアンの玄関前では、すでにエンジンカッターが唸りを上げていた。
正直、驚いたが、それと同時に、機動隊って案外優しいんだな。(笑)
とも思っていた。
ジュラルミンの盾に激突し、地面に叩きつけられ、全身打撲であちこちに擦り傷はあるものの、どこの骨も折れてはいない。
ちゃんと身体は動く。
おまけに、突入の時にエンジンカッターは使わずにいてくれた。(笑)
使われたら、死んでるよね。
まあ、これが「妨害の排除」と、「暴徒の鎮圧」との違いかな、という気はするが。
エンジンカッターは、すぐさま玄関のドアに押し当てられた。
チュィーーーン!
金属音が鳴り響き、火花が飛ぶ。
と思った次の瞬間には、もう鍵は壊されていた。
なんというスピードだろうか。
排除の号令から入り口の破壊まで、ほんの1分程度しか経っていない。
凄まじい機動力。
まさに機動隊だった。
機動隊によって、あっという間にサティアンの入り口を破壊されてしまったのだが、実はここからサマナたちの反撃が始まる。
機動隊はサティアンの内部に、一歩も足を踏み入れることが出来なかったのだ。
ではここで、久々のクイズです。
サマナたちはどうやって機動隊の侵入を阻止したのでしょうか?