熊本県警強制捜査12 | 法友(とも)へ

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目の前に金属の壁が押し寄せてくる。


だからといって、何か特に感慨があるわけではない。


いうならば、お気になさらぬよう。


そんな感じかもしれない。



警察に対する憤りも、自分を見捨てた仲間たちに対する怒りも、何もなかった。


もし、そんなものを感じるのなら、初めからNと同じように道場の中に逃げ込めばいいだけの事だ。


道場の中にいれば、機動隊と正面からぶつかる必要などないのだから。



機動隊の突入を、しかもど真ん中で真正面から受け止めようとしているのは、自分でそれを選んだからだ。


誰のせいでもない。


全ては、自分のカルマによって起こっているだけの事。



壁が近づいてくる。


50センチ、


30センチ、


20センチ、


10センチ、



人間というのは面白いもので、緊急事態になるとその状況をスローモーションの様に感じる。


ゴツ、


ゴツン、


身体のあちこちが固いものにぶつかった。



全力で押し返そうとするのだが、びくともしない。


ずりずりと地面をすべるようにして、門扉に押し付けられる。



動けない。


その時、


メキッ、メキメキッ、


と、背中で不気味な音がした。



と思った、次の瞬間、


バキバキバキ~、ガシャーン、


と、ものすごい音がして、門扉ごとサティアンの方へ押し込まれてしまった。