熊本県警強制捜査⑨ | 法友(とも)へ

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いつの間にかNの姿が消えていた。


まあ、仕方あるまい。


女だからな。



全く、男女平等というものは素晴らしい。


暴力沙汰、汚れ仕事はいつも男のものだ。



その代わりと言っていいのかどうか、男のサマナがひとり正面玄関からやって来ていた。


機動隊に対するは、こちらは相変わらずの3人態勢だ。



門扉の前に立つ、3人の勇者たち。(笑)


右にM、左にサマナ、そして中央を守るのはR、そういう布陣となった。



機動隊10数名と一番左に立つ背広一人。


背広の号令に従って、整列した機動隊員たちが動く。


「ドスッ、ドスッ、ドスッ、・・・・」


左から順番に、手にしたジュラルミンの盾を地面に付きたてるように置く音が、一定のリズムで右に移動していく。



真理の実践者たちは、機動隊に向けて叫ぶ。


「帰れー!」


「宗教弾圧はやめろー!」


「国家権力の横暴だー!」


「憲法を守れー!信教の自由を保障しろー!」


おそらくは、何の意味もないであろうことを知りながら、声を限りに必死に叫んだ。



「何で誰も来ないんだよ。」


僕の隣にいたサマナがぼやいた。


確かにそうだ。


援軍は来ない。



機動隊を追い返せと言われて頑張ってみてはいるものの、どこからも応援はやってこない。


道場の中の状況がどうなっているのかは、ずっと外にいた自分には分からない。


普通に考えるのなら、「見捨てられた。」


そういうことになるだろう。


だが、不思議と腹は立たなかった。



人生なんて所詮そんなものだという諦めもあるが、男なら、ここできっとこう言うべきなのだろうと思う。


「よくぞ、男に生まれけり!」と。