熊本県警強制捜査⑧ | 法友(とも)へ

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隊列は二手に分かれた。


何人かは、道路の向こう側を富士山総本部道場の正面玄関へと向かう。



対して機動隊本隊は、道路を横断してサティアンへと向かった。


あらかじめ調べはついているのだろう。


サマナたちがいる総本部道場ではなく、麻原がいるサティアンへと狙いを定めている。



機動隊は、こちらとは一定の距離を保ちながら移動している。


普段サマナたちが利用している、サティアンへと向かう小道には目もくれず道なき道を進む。



そんなところを通って移動するんだ。


と、思う。


日常生活においては、基本的に移動するときは道の上を通る。


そんな常識とはかけ離れた、道のないところを移動していく機動隊の姿は、かなりの違和感があった。



まさしく観念の崩壊だが、これは考えてみれば当たり前のことだ。


警察に限らず、自衛隊でも軍隊でも、道のある場所だけが戦場とは限らないのだから。


人間が自然を破壊して作り上げた人工物、いわゆる道路の上を歩くというのは、平和ボケした民衆の思い込みに過ぎない。



走った。


それまでに何度も通ったことがあるサティアンへと続く小道。


いつもは歩いて通っていたが、その時、初めて走った。



全力疾走。


そう言っていいと思う。


門扉はすでに閉じられていたが、鍵がかかっていることを確認する。



門扉を背にして立つ。


小道を挟んで向かい側の空き地には、次々に機動隊が集結していた。