グルヨーガマイトレーヤは、その前の二つの秘儀伝授とは対照的に在家での修行法であり、これをいくら実践しても解脱はしない。
グルヨーガマイトレーヤもチベット密教の影響をかなり強く受けているが、その帰依の対象はグルではなくマイトレーヤである。
マイトレーヤに帰依して、来世は出来るだけ高い世界へと輪廻転生できますように、という修行法である。
なので、解脱を目指すのであれば、もちろんこんなものはやらなくていい。
いやむしろ、解脱の邪魔になるだけだ。
しかし、ひとそれぞれ目指す方向は違うのだから、やりたい人はやればいい。
ということになる。
続いて、バルドーイニシエーション。
はっきり言って、これは面白い。
麻原はイニシエーションのたびに、違う内容の説法をしている。
まさにオウム真理教の秘儀の伝授となっているのだが、そのすべての説法を聞いたものは、幹部たちの中に一体何人いるのだろうか。
バルドーイニシエーションの瞑想は、やり方そのものは単純である。
他の秘儀瞑想の10分の1もないくらいではないだろうか。
しかし、その中に十分すぎるほど、エッセンスが詰め込まれている。
グルヨーガマイトレーヤでは帰依の対象はマイトレーヤだったが、バルドーイニシエーションでは帰依の対象はシヴァ神である。
同じ在家用の瞑想法でも、バルドーイニシエーションの方がはるかに格上である。
この瞑想法の実践は、まさにヴァジラヤーナであり、未来際において直弟子となることが約束されている。
しかし、すでに直弟子であり、今生解脱を目指す魂にとっては、こんなものは入門の修行であり必要のないものである。
したがってこれも知識としては知っておけばいい、その程度のものである。