死刑囚には支援者というものがいるらしい。
まあ、個人的には興味はない。
支援者だからと言って、死刑囚と面会出来るわけではない。
面会出来るのはごく一部の人間だけである。
中川との面会をネットで調べてみても、死刑確定前のものしかなく、死刑確定後の面会の情報はない。
次に考えるべきことは、面会者がどこに住んでいるのかということである。
東京拘置所は東京にあるので、面会者はおそらく東京近郊に住んでいる。
関東地方の新聞には、アンソニー トゥーの京都大学での講演の記事は載っていないので、面会者は講演があること知ることが出来ない。
面会者が京都に住んでいれば、講演の事を知る可能性がある。
しかし、東京拘置所まで行って帰ってくるだけで、3、4万円かかってしまう。
アンソニー トゥーのことを知らせるためにわざわざ出かけるというのは不自然である。
そして、たとえ京都に住んでいたとしても、京都新聞の記事に気づくとは限らない。
わずか4センチ四方ほどの小さな記事。
新聞を毎日、隅から隅までじっくり読む人でもない限り、見落としてしまう可能性が高い。
とまあ、中川が誰かから面会で京都大学の講演の事を聞く可能性が極めて低い事は明白だなと考えていたのだが、そんな事よりもっと確実な証拠があった。
アンソニー トゥーはなぜ、中川が面会をしていないことを知っていたのか?
である。
最初は、中川から誰も面会に来ていない事を聞いたのだと思っていた。
しかし、その必要がない事はすぐに分かった。
このブログの読者ならすでにお気づきのとおり。
9月12日は土曜日なのだ。
京都大学でのアンソニー トゥーの講演会の事を世間の人々が知ったのが12日の朝。
翌日の13日は日曜日。
そして、さらにその翌日の14日にアンソニー トゥーが面会をしている。
東京拘置所の面会は平日のみ。
土曜日と日曜日は何人たりとも面会できない。
たとえアンソニー トゥーといえども面会できない。
死刑囚の面会は1日に1回だけ。
14日にアンソニー トゥーが面会しているので、他の誰も面会できない。
つまり、12日の新聞記事から14日の面会までの間、中川は誰からも講演会の情報を受け取ることが出来ないのだ。
11日以前には、京都大学で講演会があることを知ることは出来ない。
12日から14日の間には、中川は誰とも面会をしていない。
テレビドラマ風に言うならば、中川には完全なアリバイがある。
さあ、この状況で、中川はどうやって講演会の事を知ったのだろうか?