オウムが行ったサリンの製造は5段階ある。
松本サリン事件では第2段階から製造している。
そして、地下鉄サリン事件では第4段階からサリンが作られている。
これは、読売新聞のスクープで教団が証拠隠滅をはかったのだが、第4段階のメチルホスホン酸ジフルオリドが大量にあったために処分しきれなかったからである。
ここでも地下鉄サリン事件がギリギリのところで発生していることが分かる。
教団が作ろうとしていたサリンの量がもう少し少なければ、おそらくは全て処分されてサリンの原料は残っていない。
そして、読売新聞のスクープがもう少し早ければ、時間をかけて処分できるためにこの場合もサリンの原料は残っていない。
さらに、警察の強制捜査があと数日早ければ、教団はサリンを作る暇がなかった。
まあ、普通に考えれば、十分すぎるほど事件を回避できる可能性は高かったように見える。
第7サティアン、そして第7サティアン付近の土からメチルホスホン酸が検出されたことについて。
警察は第7サティアンでサリンが製造されたとしているが、中川によれば第7サティアンでは第3段階までしか稼働しておらず、第4段階・第5段階は稼働していないそうだ。
したがって第7サティアンではサリンは製造されておらず、第7サティアンの隣にあったクシティガルバ棟から漏れ出したサリンを検出したのではないかという。
アメリカは日本の警察と違い、中川の主張を支持している。
ここで誰が何人の殺害に関わっているのかが一覧で表示された。
これを見て中川の人数が多いことに驚いた。
一番多いのが麻原の27人で、これは当然の事に思える。
次が新実の26人でやっぱりなという感じなのだが、次が中川の25人。
これではどう転んでも、中川の死刑回避など出来そうにない。
数々のオウム事件において、中川が非常に重要な役割を果たしていたということを、この数字が如実に表しているように思う。