続いて炭疽菌はなぜ無効だったのかについて。
これはまあ、皆さんご存知の通り。
炭疽菌には3種類あり、遠藤が手に入れたのは毒性のないもの。
これを、遠藤の専門分野であるウイルス操作により毒性を持たせようとしたが、それは失敗だった。
まったくおかしな話だ。
その毒性を持った何かがあるのなら、毒性のない炭疽菌に埋め込まなくても、それをそのまま培養すればいいような気がする。(笑)
これも不思議な気がするのだが、オウムはなぜオリジナルの細菌を見つけようとしなかったのだろうか?
これには、遠藤が細菌の素人であった事が影響しているように思う。
ノーベル賞受賞者の研究を見ても分かると思うが、その辺の土から何千種類もの細菌を分離してひとつひとつ調べ、薬として役に立つものを見つけ出している。
この方法を使えば、同じように毒性のある恐ろしい細菌を見つけ出すことも可能なはずだ。
僕が遠藤の立場なら、いかにもオウムらしいこの方法を麻原に提案したと思う。
しかし、遠藤にはどうも勉強は出来るのだが、純粋に思考力が劣るところがあるのだ。(笑)
まあ、そのおかげで恐ろしい事態になることを回避できたのだが。