東光飯店がらみのついでに。
東光飯店に行った時は、大抵大きな丸テーブルふたつに分かれていた。
ひとつは麻原と正大師・正悟師などであり、もうひとつはそれ以外の師と運転手も加わる場合があった。
この時に麻原が話す内容が、まさにオウムの秘儀と言っていいようなものが多かった。
村井が言った、「今までに学んだ事は全部捨てろ。」じゃないけれど、教学システムは全て忘れろとでも言わんばかりの実に面白い話ばかりだった。
僕は食べることよりも麻原の話を聞くことを中心にしていたが、正大師・正悟師たちの態度は人それぞれだった。
石井はもうはっきり言って、難しい教義は何も聞いていない。(笑)
上祐はというと、重箱の隅をつつくような質問をしては、ひとり「うんうん。」と悦に入っていた。
この中で最も熱心に麻原に質問をし、対話を続けていたのがK正悟師だった。
女の弟子の中では、まさしく最強の修行者であったと思う。
で、元TD師が参加したときは、彼女が成就認定されてまだそれほど経っていない頃だったように思う。
もしかしたら、麻原と一緒の食事会に参加するのは、あの時が初めてだったのかもしれない。
僕と元TD師は同じテーブルで、僕の隣に林泰男もいたような気もする。
誰だったか忘れたけど他の師もいて、麻原の「好きな物を注文しろ。」の声で、初参加のTD師に気を使ったのかメニューを渡して最初に注文させてしまった。
TD師はまだこういう食事会になれていないものだから、他の連中がほぼ食べ放題と言えるぐらい大食いをすることを知らなかった。
なので遠慮がちに、細切り肉そばだかなんだかを注文した。
もちろん、この食事会において、そんな遠慮深い注文をしたのはTD師が初めてである。(笑)
まあ、注文というものは、大抵の場合石井が取り仕切ることになっている。
蟹玉は外せないが、後は基本的に好き嫌いはしない。
ただし、全て肉抜きでの注文になるために、肉がメインの料理は頼まない。
ウエイトレスが先に麻原のテーブルに注文を取りに来て、石井が注文をする。
次にこっちのテーブルに注文をとりに来たら、「同じものを。」
と言えば、それで終わりである。
たまに小声で、「こっちは大盛りで。」
とか言ったりする。(笑)
ほんと、懐かしい思い出だねえ。