激闘を振り返る | 法友(とも)へ

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いやあ、まだ興奮冷めやらぬ、って感じですな。



それにしても、片上理事にとってponanzaの開発者が東大の後輩、AWAKEの開発者が奨励会の後輩とは。


凄い時代になったものだなと思う。


米長の時代は頭の悪い奴が東大に行くことになってたからなあ。(笑)



まあ、竜王戦の挑戦者の糸谷も大阪大学の大学院で哲学を学び、対戦前日の挨拶で一神教とかシャーマニズムとかの専門用語を使って話をしたらしいんだけどね。


糸谷にとっては、将棋というのは単なる勝負事ではなく、真理の探求ということらしい。


それゆえに糸谷の異名は「考える人」である。



習甦はその名前の中に羽生を持つ。


羽生の更に上を行き、白星を挙げる。


コンピュータ将棋40年の歴史の中で、最強のコンピュータというだけではまだ不足であり、人類最強の男を倒したいと考えるのは、開発者なら誰しも同じだろうと思う。



ponanzaの開発者もまた、羽生と戦いたいと言っていた。


どうやったら戦わせてもらえるのかが分からない。


戦いの場を与えて欲しいと訴えていた。



そして今回、去年よりも更に強くなり、無敗のまま迎えた決勝戦。


誰もがponanzaの勝利を疑わなかったのではないだろうか。


そこで大番狂わせが起こることになる。



棋譜を見直して検討するつもりでいるが、今のところ何が起こったのかが分からないと言っていいと思う。


評価値を見る限り、途中までは明らかにponanzaが有利だった。


対戦するAWAKEも、自分を不利であると判断していた。


ずっとマイナス評価だったのだが、ponanzaの評価値が1,000を越えた頃からプラスに転じたのだ。



人間と違って、もの言わぬコンピュータが何を考えているかは分からない。


だが、その姿は感動的ですらあった。


明らかに不利な状況にありながら、誰からも期待されず、それなのに、過去を悲観せず、未来に絶望せず、ただ目の前の事に全力を尽くす。


不平不満を言わず、見返りを求めず、ひたすら前に進むその姿は、修行者の鑑だと言ってよかった。


感動した!


プロ棋士の多くが、コンピュータに教えられたと言っているが、まさにその通りだと思う。