まじめなオウマーなつさんから、「なぜ頭のよさそうな人たちがああものめり込んだのか、信じたのかを本当に知りたいです」という質問を頂いたけど、これは難しい質問ですよねえ。
おそらくだけど、のめり込んだ理由は人それぞれ違うのだと思う。
麻原がたくさんの引き出しを持っていて、相手に合わせて魅力的に思える色んなものを出していたんだと思う。
オウムはそれほど大きな組織ではないにもかかわらず、非常にたくさんの部署を持っていた。
現世にいると、俺はこんな仕事はしたくない、もっと他の事をやりたいんだ。
とか、自分はこんな事をするために生まれてきたんじゃない。
とか言う不満があるのだが、それを聞いた麻原は「よっしゃ、よっしゃ。」で好きなことをやらせてやる。
そういうことなのだと思う。
サリンを製造してしまった土谷はまさにこれだと思う。
生物が専門の遠藤の下で働くのんは嫌じゃ~。
ワシは化学のワークがしたいんじゃ~。
ということで、麻原は土谷を大臣に取り立てて好きにやらせた。
まあ、要するに、自分の煩悩を満たしてくれるから、麻原に従った。
そういうことになりますね。
それと説法。
麻原は実に様々な説法をしていて、それぞれがお互いに矛盾していたりします。
だから、それを聞く側が、自分の都合のいいように解釈してしまうんです。
自分の求めている部分だけを正しいとして、それ以外を無視してしまう。
そうすることによって、人それぞれの自分だけが信じられるオウムの教義というものが出来上がります。
自分だけのための、オーダーメイドのような教義ですね。
これはもう、信じるしかないでしょう。(笑)
あともうひとつが霊的な体験ですね。
オウムに興味を持つような人は、元々普通の人間にはない霊的な能力を持っています。
自分が見ているもの、聞いているもの、様々な霊的な体験は周りの人たちに理解してもらえない。
しかし、麻原はそれが何なのか全て説明してしまう。
生まれて初めて自分を理解してくれる人間に出会えた喜びで、麻原を信じてしまうということになってしまいます。
まあ、大体こんな感じで、これらの条件が組み合わさっているということになると思います。
そして、さらに常識からかけ離れた事を信じていく段階ですが、これは基本的に現実の世界では証明できない事をベースとした理論を展開していきます。
証明できない事なので、最初はそんなもんかなと思う程度だったり、全く信じていなかったりするのですが、時間をかけて同じ話をしていくうちにその話を当たり前の様に信じてしまう人間が増えてきます。
ということになると、次にその常識的には有り得ない事をベースとして次の理論が展開されます。
ますます証明できない話になっていくのですが、最初の前提を認めてしまっていると、それがあるとしか考えざるを得ないわけです。
この段階になると、証明できない事を言っているのが麻原だけではなく、幹部達が全員同じ事を言い始めるのでみんながそうなのかもしれないと思い始めます。
しかし、どうしても信じない人間も中にはいるわけで、そういった者は拷問のようなことをしたり、破門して排除したりするわけです。
後は、これが時間の経過とともに、どんどん深まっていくだけですね。