すでに第3戦まで終了してしまった。
僕の戦前の予想では、勝てるのは豊島だけだろうと思っていたが、どうやらそうなりつつある。
それにしても6二玉が敗着って、米長ですかっていう話だな。
こんな単純なバグは残り二機種には有り得ないので、人間側の負けはまず間違いないだろう。
局後のインタビューを聞いていると、豊島は勝つべくして勝った感がある。
YSSとは千局近く戦ったそうだ。
そして対局直前には、本番と同じ持ち時間5時間で3局指し、全て勝って自信を持って臨んだということだ。
勝負事でいうところの、天才が努力を積んだ状態だ。
しかし、その千局の内、本番と同じ展開になったのは一局しかなかったという。
つまり豊島は他の展開になっていたとしても、おそらくは勝っていたということになる。
この千局にも及ぶ対戦で、豊島は非常に貴重な情報を提供してくれている。
コンピュータは中盤から終盤にかけてが強い。
自分も最初の頃は、序盤は優勢に進めながらの逆転負けが多かった。
人間側が有利に戦えるのは、短い序盤から一気に終盤になるような激しい展開。
そういうことらしい。
そして、今回の対局では、コンピュータの面白い思考パターンを見ることが出来た。
それが1四金なのだが、いわゆる水平線効果と呼ばれるものだ。
考えても考えてもいい手を思いつかず、まるでやけになったかのように悪い手を指してしまう。
まるで人間のようだと思うのは、僕だけだろうか?