キャッチアンドリリースによって、オウム施設はもはや生物兵器工場と化しておりましたな。
そして、ゴキブリをどこに逃がすのかについても、サマナは思い悩むのでございます。
ゴキブリたちが餌にありつけるように民家の近くに逃がすものもいれば、民家に入ると人間に殺されてしまうから何もない空き地に放す者。
いろいろでしたねえ。
そして、オウムのお弁当屋さんでも、ドラマが生まれていたのでございます。
飲食物を扱っているので保健所のチェックが入るわけだけれど、殺生を禁じられているサマナたちにはクリアするのが難しいのです。
店の消毒は自分達では出来ないので業者に頼むんだけど、それでも数は少ないけれどたまにゴキちゃんが元気に這い回っていたりする。
サマナたちはまったく気にも留めないんだけど、保健所の職員はそんなことは言っていられない。
ゴキブリを退治しようとして、殺虫剤を吹きつけようと思って探すのだけれど、無い。
殺虫剤が無い。
で、次にくる時までに用意しておくようにと言い残して、帰ってしまった。
それでしょうがないからスプレーのやつを買ってきて、これ見よがしにテーブルの上に置いておいた。
保健所の職員はそれを一目見るなり、怒り出した。
どうしてかと言いますと、包装されたままだったから。
それじゃ、使えないよね。(笑)
だって誰も殺虫剤を使う気がないんだもんなあ。
「やる気があるのか、あんたたちは。」
と言うお叱りの言葉を受けまして。
スプレー缶の包装を外して、もう一度テーブルの上に置き、早く帰ってくれないかなとみんなが思っていた時に悲劇が起こってしまいました。
保健所の職員の目の前のテーブルの上にゴキちゃんの姿が、
何もしようとしないサマナたちを見かねて、ゴキブリめがけて殺虫剤を吹き付ける職員さん。
いっせいに「あーーーー!」と叫ぶサマナたち!
一番近くにいたサマナは、手を伸ばしてゴキブリをかばう。
ゴキブリは難を逃れてテーブルの後ろへと逃げ延びていく。
よかった、よかったと胸をなでおろすサマナたち。
「何をやってるんだ、あんたたちはーーーー!」
と再び、お叱りを受けてしまった。
いやあ、しかし、もうなんか「蜘蛛の糸」の光景が目に浮かんでしまいましたね。
いわゆる「ゴキブリの足」ってことですが。
地獄の亡者を見かねたお釈迦さまが、極楽にいたゴキブリを放つ。
すると、カサカサカサ、ブーンって感じで亡者が足につかまる。
これで助かったと思いきや、他の大勢の亡者たちがつかまってあえなくゴキちゃん墜落。
誰も助かりませんでした。
そんな感じですかねえ。